白馬亭との出会い

🐴この文章は白馬亭ZINEによせて書いたものです🐴

 

白馬亭との出会いは、2020年の4月の終わり頃、川沿いをずっと登っていった先のダムで焚き火をした日だった。

当時19のわたしは服屋と飲み屋の掛け持ちバイトでありえないくらい働いていたので、元気とお金が有り余っていた。それに、飲み屋で働き始めてから社交的になった自分を試したくて、新しい人との関わりを求めていた。そういう時期に白馬亭に辿り着けたこと、ちょっと運命かもって思う。

京大に受かったので九州から京都にやってきたという古いフォロワーに「焚き火に行かないか」と誘われ、二つ返事で参加を決めて、迎えの車を待った出町柳の珍しさを今でも覚えている。川があって、柳があって、のんびりした空気の漂う不思議なところだと思った。車を降ろされると、確かにそこで人が火を焚いていた。

そこにいた知らない人全員と友達になりたくて片っ端から挨拶をしまくったり、フォロワーと一緒にオタクのDJ配信を聴いてめちゃくちゃ沸いたりしていると時間が経つのが本当にあっという間で、絶対にまた来たいと思った。書いていて思い出したけど、解散するのが惜しすぎて、初対面のフォロワーにうちに泊まってもらったのだった。白いスカートにヒールで山に行く女も初対面のネ友の家に泊まる女も両方お転婆すぎる。

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焚き火に誘ってくれたのが今も一番大好きな友達で、ナンパされた人に今度うちにおいでよと言われて行ったのが熊野寮、北白川でバーをやってるからおいでと言っていたのがBarリンクスのマスター、暗くなってからでかいスピーカーで音楽を鳴らしながら登場したのが白馬亭亭主だった。どれもわたしの京都生活を語るのに欠かせない存在になることを、当時からなんとなく直感していたように思う。この日がわたしの若い人生のひとつの転機だった。