231222 ラブホテルにて

本当に、本当に久しぶりにラブホテルに泊まっている。ラブホってわたしの青春になくてはならない存在だったのに、そのことを忘れていっているし忘れようとしていた。日本全国どこに行っても似たような内装で、似たようなアメニティが置いてあって、似たようなよそよそしさのあるラブホに来ると、昔の自分の心を取り返して安らぐような気がする。

適当に選んだガレージ型のホテルは、デリ時代が思い出された。確か始めたばかりのときに遠くのガレージ型のところに呼ばれたことがあって、その古臭さに驚いたのだった。一日に何度もお風呂に入るので肌が荒れるからアメニティの化粧水なんかをドバドバ使っていて、その香りすら懐かしい。プライベートでもありえない頻度で利用していた。一人でもネカフェより良いからとほとんど毎日泊まっていたこと、今思えばとんでもないお金の使い方だけど、実際もし当時ネカフェに住み着いていたらと考えると(わたしの性格からしてまずありえないけど)悲惨すぎて、めちゃくちゃお金を払ってでも人間が暮らすのに十分な設備のあるところに泊まることで守られたものは多かったように思う。わたしは二十歳のいろんな夜を、朝を、あと昼も、ラブホで過ごした。そういう、忘れようとしていた苦くて温かいことを思い出す夜だった。

お風呂の入れ方が完璧なのとか、タオルの場所を瞬時に把握するのとか、フロントとの連絡とか、テキパキできる自分のこと結構好きになれてきたけど、彼氏はやっぱりちょっと嫌な気持ちになったりしてるんだろうか、それとも何も思ってないんだろうか。