想像もつかなかったところにいるけど、わたしはどの地点にいたわたしとも地続きだ。変わらない部分で全部選んできていて、変わらずにいながら変わっていけるのが嬉しい。
お金を使うのが好きなことは仕事の大きなモチベーションであり、これからもそうあり続けてくれると思う。お金は計算ができるということを学んで、計算のやり方も勉強して、目を逸らすのをやめた。人より得意なことができて、自信がついてきた。
結局人のことしか好きになれない。最近ずっと考えている映画のことだって、友達と一緒に観に行ったから夢中だし、それで好きになったのも作品というより主演俳優、アイドルオタクを降りたのは仲の良いオタクがほとんど残っていないからで、韓国へ推しに会いに行けなくなったから。今好きなバンドだってそんな感じ。映画のオタクとか音楽のオタクとか、なんでもいいけど自分の琴線に敏感で、好きなものに一人で夢中になれる人のことがずっと羨ましい。でも、社会人になってから仕事以外に使える時間が少なくなって、やっとそれでもいいかなって思えるようになった。作品は生活に寄り添ってくれるけど、人生を良くしてくれるのはいつも人だと思っている。友達のことすごく大切だし、大切なことが伝わるように丁寧に関わっていきたい。
わたしは人の作ったものにあまり興味がなくても、自分でできる表現の手段をいくつも持っていたことを思い出してきた。小さい頃からさせてもらった習い事が、今になって心に余裕をもたらしている。
人のことを羨むの、もう良い歳になろうとしてるんだしそろそろやめたい!わたしのやり方で自分のことも世界のことも愛したい!
あまり広くいろんなものを見ていられないところも昔から変わらない。母譲りのオタク体質で恋愛体質なんだと思う。小学生から中学生の頃、図書館に毎日のように通い、閉館まで居座って本を選んだり読んだりしていた。そのときの本の読み方も、一度気に入った作家の作品を一気に全部読むようなやり方だった。思い出せるところで令丈ヒロ子、はやみねかおる、宮部みゆき、瀬尾まいこ、江國香織、赤川次郎なんかは大体読んだ。あと、父の本棚を漁って見つけた中島らもと原田宗典のエッセイも大好きだった。